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エスカレーター メーカーの危険感覚欠如が招いた逆走事故 [時事寸評]

エレベーターには重量制限があるが、 エスカレーターには重量制限がない。 あるかもしれないが、殆ど知られていないし、知らずに乗っている。 エレベーターのように、乗ろうとした時にブザーが鳴っていたので少し待ってから乗った、 というような経験をした人はまずいないだろう。

上りのエスカレーターが逆走する事故が、東京ビッグサイトで起きた。 幸い、殆どの人は転倒しなかったので、十数名の負傷だけで済んだ。

「混み合ってもいなかったし、人を押しのけて歩いて昇降する人もいませんでした」という証言もある。 ニュースの画像を見ると、確かにかなり過密に乗っているようだが、 混雑している場所では普通に見られる光景である。

事故が発生したエスカレーターは「日本オーチス・エレベータ」が製造したもので、 5月には名古屋市で急停止事故が発生しているものと同じタイプである。 以前、シンドラー社のエレベータの故障が多発して社会問題になったことがあるが、 今回はどうなるだろうか。

警視庁の調査では、重量超過が原因で停止したが、ブレーキが耐えきれずに逆走した可能性が強いという。 何よりも検証すべきは、重量超過時のエスカレーターの緊急動作に関する設計がどうなっていたかだ。

動画を見る限り、入場者の整理や誘導は普通に行われていた。 ただ、他のイベントでは、エスカレーターに大勢乗ると危ないので、 非常に混雑しているときはエスカレーターを使うな、という口伝があったという噂もある。 ノウハウの伝達はなかったのか、今となっては悔やまれる。

同社は各ステップに大人が2人ずつ乗ることは想定していないとコメントしている。 おかしな話である。 街中にあるエスカレーターを見れば分かるように、 横に2人乗れるサイズのエスカレーターは、 普通、1つのステップに2名ずつ乗るものだ。

もし強度の問題があって1ステップに大人が1人ずつしか乗れないのなら、 そのような設計が必要だ。 例えば、幅を狭くして、2人以上乗れないようにすべきだ。 わざわざ2人乗れる幅にしておいて「乗ったら事故になりますよ」 というのは罠としか思えない。

ソフトウェア設計の世界では、ユーザーが想定外のふるまいをするのは常識となっている。 輸送装置のような事故発生時のリスクが大きな設備に対して、 当たり前のように見られる状況のみ想定し、危機的状況を考えなかったとすれば、 明らかな危機意識の欠如ではないか?

そもそも、重量超過で停止した後に逆走するというのもおかしい。 エスカレーターは、いきなり乗員が増えるような乗り物ではない。 一人か二人ずつ順に乗るのである。 重量が急激に変化して超過することはまずないのだ。

従って、設計者が普通の危険感覚を持っていたら、 重量が超過しそうになった時点でブザー等で警告、 さらに超過した時点でゆっくり停止させるだろう。 もちろん、停止時の1.5倍~2倍の重量に耐えられるように設計することは言うまでもない。 そうでないと、停止と同時に逆走するような事故が発生して、多数の負傷者が出る危険がある。

それが現実に発生してしまった。 業界で自主的な基準を出せないのなら、 法律で強制して、エスカレーターの最低強度を義務付けるべきではないか。 死者が出てしまう前にぜひとも検討してほしい。

設計者が教訓とすべき事故ではあるが、 乗る側も、乗せる側も、より安全に乗るように工夫ことは可能である。 例えば、必ず1段おきに乗るだけでも随分違うはずだ。 一人一人の心構えは大事故を防ぐことになるだろう。

参考: エスカレーター 重量超過が招いた逆走事故 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


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